愛し方なんて知らねえ。
抱き方も抱かれ方もわからねえ。
・・・興味ねえ・・・。
「さつき皐月・・・皐月。」
みなづき水無月はオレの胸を強引にまさぐり、キスの雨を降らす。
はだけられたシャツが腕を拘束している。オレは思うように動かない体を、水無月に押されるままベッドに沈めた。
音を立てて水無月が俺の肌を吸う。胸に小さい印をいくつも刻まれる・・・。
水無月の手がオレのパンツのベルトにかかり、それを器用にはずすと、ジッパーを下ろして一気に剥いだ。
「皐月・・・」
上に乗っている水無月が、うっとりとした表情でオレを見下ろしている。
手がいつくしむようにオレの体を撫でた。撫でまわしながら、再び唇でも愛撫してくる。
肩口から鎖骨に・・・首筋を這って顎に・・・そして唇に・・・。
押し当てられる水無月の唇は、骨っぽい外見のイメージとは裏腹に柔らかい。音を立てて吸われていると、いつの間にか口を閉じている力が抜けて、その隙をついて舌が差し入れられる。
ヌルヌルと舌を絡められ、オレも水無月の舌に自分のを絡みつかせてやる。・・・抵抗はしない。
水無月の舌が上あごをヌルリと撫でると、オレは一瞬震えを起こして体をしならせた。
幾度か方向を変え、角度を変え、キスは深く、続く。
・・・まだ、足りねえ・・・。
オレの口から唾液がこぼれていく。飲みこみきれない程の長いキス。
まだだ。まだ・・・。
「ん・・・ふ・・・」
知らずに息もこぼれる。
口付けながら水無月が笑ったのがわかった。
水無月が離れる。
オレと、口を銀の糸で繋いで微笑んでいる。
「よ悦かったみたいだね? 勃ってるよ」
水無月は嬉しそうに、熱を持ったオレ自身に触れた。
・・・そんなん、知らねえ。
「・・・みな・・・」
オレは、オレを蹂躙する弟の名前を呼んでみる。
体は熱に浮かされているのに、オレの心は暗く冷たいところで、心を離れて勝手に熱くなっていく体を静観していた。
「皐月、どう感じた?」
・・・どう・・・?
「まだだ・・・」
「まだ?」
足りねえ。
体はそう感じていた。
「じゃ、続けていい?」
水無月が微笑んで、長い指で脇腹をそろりと撫で上げた。その指が胸の突起を捉える。
突起の頂点だけを指の腹でわずかに擦られると、腰の奥の方がジン・・・と鈍く反応した。
「ん・・・っ」
今度は両方の突起を手のひら全体で少し触れる程度に擦り回される。
「は・・・ぁ・・・っ」
ゾクゾクしている。オレはその刺激に体中の毛穴が縮こまりそうなほど反応し、身悶えていた。
水無月の手によって、二つの頂点から送り込まれるこの刺激に・・・。
「すごいな。ビンビンに反応してるよ」
たぶんオレの全身が・・・。
「ねえ? 皐月。」
「!!」
突起に爪を立てられた。
とたんに腰まで電気が走る。
「こんなに感じてるくせに・・・」
水無月はオレの暗く冷え冷えとした心を知っている。それでもオレを抱き続ける。
かたく起立した敏感な突起をコロコロと舌で転がされた。
「・・・あぁ・・・」
無意識に吐いた溜息が甘い。
舌と手での愛撫は直に腰にキて、オレ自身の熱をさらに高めていった。
「体は素直なのにな、皐月は」
水無月はそう言ってオレ自身に触れ、軽く握ってくる。
「あ・・・」
「こんなこと、どーでもいいと思ってる・・・」
水無月が頭をオレの胸に押し当てた。
軽く脱色している髪が、サラリと肌を撫でる。
「オレんとこまで・・・ここまで来いよなぁ、皐月・・・」
オレ自身を握っていた手が扱く動きを始めた。
「・・・あっ・・・ぁ」
水無月にされるがまま、熱がそこに集中していく。
「気持ちいいんだろ? だったらそう言えよ」
耳元に囁かれる。耳たぶを甘く噛まれて、震えが走った。
水無月がもたらす快感が、オレの体を支配していく。
「ぁ・・・いぃ・・・。みな・・・みなぁ」
「皐月・・・そうだ、こっちだ・・・」
オレの体は、今までに何度もそこに導かれてきた。
「先、濡れてきたよ?」
泣き出したオレ自身の先端を、水無月は指の腹で細かく刺激してくる。オレの体が水無月のものになっていく。オレから離れていく。
オレの心はまだここに・・・深く暗いところにいた。
明かりが見えねえ。あったかいところがわからねえ。オレはどっちに行ったらいい。どこを目指せばいい。水無月・・・?
「・・・っっ・・・っ!」
「我慢しなくていいよ」
溜まった熱が出口を求めている。
「みな・・・っ、イク・・・っ」
体が痙攣し、押さえきれなくなった熱を吐き出して脱力した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、」
水無月はオレの腕を拘束していたシャツを取り払い、自分の服も脱ぎ捨てた。
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